
『被害者としてのドイツを描いた意欲作』
第二次大戦を扱った映画では、ドイツはいつも加害者で悪者だった。近隣諸国を侵略し、強制収容所で多くの命を奪ったのだから仕方がない。
しかし、この作品ではドイツが受けた被害をテーマにしている。こんなドイツ映画は初めてではないだろうか。過去の過ちを反省し、隣国との和解をすすめ、ようやく、自分たちの被害についてドイツ人たちが語り出した。
すごいと思ったのは、内容に偏りがないことだ。被害を受けたドレスデンの町や人々の悲しみを強調した映画になっているのではなく、ユダヤ人の差別問題も、敵国だったイギリス軍の様子も丁寧に描き、史実に基づいて客観的に作られていた。セットも豪華で、映像も迫力があり、脇役たちのサイドストーリーも非常によくできていた。ただ、主人公の女性のラブストーリーが冴えなかった。良い作品だったので、この点だけは残念だった。